賃貸住宅の契約。~部屋を探す編~
こんにちは、りんごです。
私は22歳からマンション管理の会社で、賃貸管理の業務に携わっています。
「契約」というと、幼い頃から親に、
「簡単にハンコを押しちゃダメだ」
「保証人になっちゃダメだ」
と、口すっぱく言われて育ち(?)、身構えてしまうこともあるかもしれませんが、
そういった意味では、賃貸住宅の契約は 割と身近な契約のひとつなのではないかと思います。
でも、いざ契約ってなると、契約書に並ぶ文字は見慣れない漢字が多いし、
用語も結構わかりにくいことってありませんか?
私も含め、業務に携わる人間は、どうしても日々目にするものなので感覚が麻痺しがちで、つい相手も「わかったもの」として満足に説明もせず、暗黙の了解的に淡々と進めてしまうことが多々ある気がします。
なので、今回は、その辺を少しわかりやすく説明する回にしようと思います。
まず、
部屋を探したいと思って探すと出てくるのが「家賃」「共益費」「保証金」「敷金」「礼金」とかですかね。
「家賃」は言わずもがな「部屋の賃料」ですね。
契約日から解約日まで毎月発生します。
補足すると、最近物件によっては「フリーレント○ヶ月」というのもあるかもしれません。
これも文字通り「フリー→無料」「レント→借りる」という意味で、
「フリーレント○ヶ月」というのは「○か月分は家賃がかかりませんよ」ってことです。
次に「共益費」ですが、
「共益費」は主に建物の共用部に使われる費用で、
廊下や周辺の電球の交換や定期的な掃除、建物を維持管理するのに使われます。
「共益費」も「家賃」同様に解約日まで毎月発生します。
次に「保証金」と「敷金」ですが、
意味合いとしてはどちらもあまり変わりません。
いずれも入居中の支払いの滞納や退去時の工事代等の預かり金として、
契約時に一時的に担保として大家さんに預けるお金です。
このお金は、事情がない限り、基本的には解約時に返ってきます。
地域によって呼び名が「保証金」だったり「敷金」だったりしますが、
最近は「敷金」という表記は減ってきたように思います。
かつてのイメージとしては、「保証金」は6ヶ月や8ヶ月など高額な預かりをするので事務所や店舗契約を主に使用されることが多く、「敷金」が一般の住居の契約で使われることが多かった印象ですが、
ここ数年はSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)などの需要が増え、一般住宅を事務所兼住居、もしくは事務所使用として契約するにあたり、条件の表記も変わってきた部分はあると思います。
話が少し逸れてしまいました。
戻します。
そして「礼金」ですが、
「礼金」は、契約の締結(成立)と共に貸主(大家さん)へ渡すお金なので、
借主(あなた)へは戻ってきません。
その他として、「償却」というのも目にすることがあるかもしれません。
「償却」というのは、解約が決まった時点で保証金から差し引かれ返金されます。
貸主はこの償却分を経年劣化の工事費用に充てます。
たとえば、保証金3ヶ月、償却2ヶ月という契約だった場合、
解約が決まった際には借主(あなた)へは1ヶ月分しか返ってこないということです。
また、%表記の場合もありますね。(最近はあまり見ない)
たとえば、保証金5ヶ月、50%償却という契約だった場合、
解約が決まった際には借主(あなた)へは2.5か月分しか返ってきません。
償却に関していうと、「実費償却」というのもあります。
これは「償却分は実費で支払います」というものなので、
部屋の状態や契約年数に応じて、経年劣化の工事代の負担をお願いされるかもしれません。
一般的にどこの募集でも出てくる用語はこのくらいでしょうか。
最近では保証会社加入必須という条件も多く見るので、その保証料や、
火災保険への加入は不可欠なので、保険料の記載もあるかもしれません。
近年の条件傾向としては、間取りや築年数にもよりますが、
保証金は多くても3ヶ月ぐらいが主流かなと思います。
しかし、もし「保証金3ヶ月、礼金2ヶ月」などという条件だと、
契約時に最低でも家賃の5か月分は必要ということになるので、
その辺の条件はしっかり確認したほうがいいかもしれません。
そして、条件交渉は意外と出来たりするので、
仲介業者さんへ相談してみるのも「手」です。
良いお部屋はタイミングが大事なので、
迷わずとにかく連絡しましょう。
次は具体的な契約書の内容について説明する回にしたいと思っています。
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